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そう思いながらも高鳴る胸を押さえ僕は玄関の扉を叩いた。
雪で足元を取られ滑りそうになりながら、慌てて陰に身を潜める。
しばらくして懐中電灯の光が見えてリン……と鈴の音が聞こえた。
そっと玄関の引き戸を開く様子が見える。
彼女の顔は懐中電灯に僅かにしか照らされてなかったけれど、先ほどの怯えた表情ではなく、毛布を見て少し驚いたような顔をしていた。玄関から少しだけ身を乗り出し、辺りを見渡す。
霞ちゃんは刺繍入りのブランケットを羽織っていた。やっぱり薄着で寒そうだ。
しばらくしてその毛布が軽い鈴の音と共に玄関に吸い込まれていくのを見て、僕は思わずガッツポーズをした。
嬉しくて気分が高揚する。
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