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僕は霞ちゃんの桃色の鈴をジーパンのベルトループに括りつけた。
嬉しくて跳ねると鈴の音色まで喜んでくれているように高い音色を放つ。僕の心は増々高揚した。何より彼女の力になれるのが嬉しい。
そんな僕の目にふともうネットも繋がらなくなったパソコンの黒いモニターが見えた。
僕は自分の姿を見て思わず気持ちが現実に引き戻された。
喜びで膨らんでいた風船のような気持ちはあっという間に萎み小さくなっていく。
僕は醜い……。もはや人間の頃とは全く違う化物だ。
こんな僕にどうして神様は人間の頃の心だけ残したのだろう。
父さんや母さんは脳みそをやられていて、耳の穴からそれが垂れ流しになっているというのに。
僕は今もまだこうして気持ちだけは人間のままで考え続けられる。
神様は残酷だ。
僕は悲しくなってウオンウオン泣いた。目から変な汁がどろりと垂れるだけだったけど泣いた。
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