マサオくんと霞ちゃんの奇妙で素敵な世界。

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 僕はこんな身になってしまったけれど、なんとか彼女の力になりたいと思っている。  今日も二軒先のおばちゃんが少し戸を乱暴に叩いてくる。  ドアを開けると右手に出刃包丁を左手には僕が大好きな腐ったピザを持ってきていた。  人モドキは反復運動を繰り返す。  人モドキになってから大好物になった腐ったピザ。ハエも沢山たかっている。  ツンとした匂いが強烈なのか僕のこの鈍った嗅覚でも十分に香り、酸っぱい味が最高に美味なのである。    おばちゃんは片足が腐ってもげていたから代わりに木の棒を括りつけていた。 「なぁに問題ないさ」といいたげに足をひきずって今日も元気に帰っていく。 
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