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家では母さんがキッチンで僕のために毎日ご飯を作ってくれている。
人モドキになる前はただ怖かっただけだけど、もう僕に一切危害をくわえないし、むしろニコニコと御飯を作ってくれているのだから、感覚が前の人間の時に戻っただけだった。
時々変な奇声を上げたりしてるけど、もともと陽気な母さんだからそんな姿も微笑ましい。
少々乱暴に出刃包丁を振り上げるから、野菜じゃなくて自分の手を時折刻んでしまってはいたけど、そんなところもお茶目だ。
父さんはテレビを見ながらブツブツと何か言っては時折低い声で唸る。
父さんはもともと理論派だからテレビの政治の討論に物申したいことがあるのだろう。
時折イライラして自分の首を絞めているけど、気絶しては起き上がっている。
そうこうしているうちに辺りはすっかり暗くなってきた。
夜空は空気が澄んでいてとても綺麗だ。
草木が増え、この辺りはすっかり自然が多くなってきた。
皮肉な事に結局人間が何もしなければ、自然はどんどん本来の輝きを取り戻すのだなぁと思った。
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