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ええと、ええと。これはなんだっけ?
僕は机の上に乗って、開いていた窓から手を伸ばしつつ空を見上げた。
右手の感覚が一番残っていて、手のひらに降ってきた粉を乗せるとヒンヤリした。
その氷の塊は不思議な模様をしていた。
どんどんその粉は増えていく。僕は何時間もその様子を窓を開けっ放しで眺めていた。
そうだ。これは雪だ。僕は思い出した。
そのうち庭先の枯れ果てた畑や樹の上が白くなってくる。
ずっと手を挙げていたせいか手のひらにもこんもりとかき氷のように白い塊となって積もっていった。
手の平は凍っていた。僕が感じているよりも相当外気は低いに違いない。
昼間見た霞ちゃんの服装が薄着だった事を思い出した。
そういえば霞ちゃんは春先に引っ越してきたばかりで、家には冬服がないのだろう。
夜は寒いだろうから、何かないかと部屋を見回した。
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