マサオくんと霞ちゃんの奇妙で素敵な世界。

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 毛布を押し入れの中から見つけ引っ張り出す。  だいぶ前に母さんからもらったもので、それはまだビニールの袋に入ったままだった。  これならきっと霞ちゃんは受け取ってくれると思い、僕は二階の窓から袋に入ったままのそれを落とした。  ぼすんとそれは雪の上に落ちる。  すぐに下に降りて、玄関から外に出ると雪は結構積もっていた。  素足をスニーカーに突っ込み、外に出た。そして落っこどした毛布をうんしょと運び出す。  雪にくっきりと毛布で引きずった軌跡をつけて、僕は霞ちゃんの家の玄関前にそれを置いた。  ふと見上げると霞ちゃん家の玄関先にはお札が幾つも貼られてあった。  玄関先だけじゃない、家の周りの塀にもそれらがぐるりと貼り付けてある。    霞ちゃんもう寝ちゃってるだろうか。 
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