地蔵

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男の右手に女の呼吸の風は感じない。 《やっぱり死んでいる。》 心の中でそう呟いた時    「 …… 」 道路脇の林の暗闇の遠くの方から、 何かの声が聴こえてきたような気がした。 その瞬間、 男はビクッとして体をこわばらせたが じっと耳を澄ますと声はもう聴こえてこない。 《鳥か何かの動物だろう…》 男は自分にそう言い聞かせその場に立ち上がった。     パサッ すると今度は、林のすぐそこから 小さな音が聴こえてきた。
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