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その女の背中に触れた男の指先は、服の上からでもまだ温かい体温を感じとった。
女の服装はワンピース姿であったが、
ここまで近づいても車のリアライトという僅かな光の中では、
そのワンピースの色が白っぽいということは判っても、本当に白なのかそれとも黄色なのか、
はっきりとした色さえ判別できなかった。
頭の方へと目をやると、頭の周りに拡がる黒い水溜まりが、
明らかに初め見た時よりも拡がっていた。
「よしっ」
男は自分の気を奮い起たせるように一声呟き、
震える両手を女の身体の下へと差し込む。
「フ━━ッ」
ひとつ息を吐き出すと、
顔を女から背けて、《えいっ》という心の気合いと共に、女の身体をひっくり返した。
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