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《そうだ!
胸に耳をあてて心臓の音を確認すればいい。》
すぐに男の頭に名案が浮かんだ。
死んでいるかもしれないとはいえ、
若くて美しい女の胸に耳をあてるというのは
緊張するものだ。
「え~と。
この辺りでいいのかな。」
男は呟きながら、
胸の膨らみの真ん中少し上辺りに耳をあててみた。
《どうやら何も聴こえないようだが…》
しかし、男自身の鼓動の音が煩くて
本当に女の心臓の鼓動音がしていないのかどうか
これまた自信が持てない。
《息をしているかどうか確かめよう。》
最終確認方法を思いつき、
女の鼻の下に右手を持っていった。
この時、女の口の端に
微かに血がついているのを見つけた。
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