79人が本棚に入れています
本棚に追加
ふと、男の目に携帯電話画面の時刻表示が写った。
[午前1時19分]
《今なら… 》
その時刻を目にした時、
男の心に悪魔の声が囁いた。
深夜のこの時間帯、
街から男の住む集落へと続くこの山間の道路を、
男以外の車が通る確率は非常に低い。
そう、今なら、
誰にも知られずに事故を隠すことができる。
自分の人生を破滅から救うことができる。
男の思考が悪魔の考えに、
徐々に占領されていっているその時、
視界の隅っこに黒い影があるのに気づいた。
最初のコメントを投稿しよう!