序章

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俺は首に当てていた短刀を落とした。 唇から一滴の血の滴が落ちた、それと同時に俺は拳を床に叩きつけた、何度も何度も叩きつけた。 目から滴が零れ落ちる、叩きつけてた拳で滴を拭う、ズキリと痛みが響く。 爪も入ってたのか血が出て赤く腫れていた、だが俺にはもうこの痛みさえも愛しく感じる。 だって……俺にはもう愛すべきものなんていないんだから…… 脳裏に浮かんでくる、あの時あの場所であの方が血まみれで倒れて…… 「ああぁぁぁあぁぁぁ!!」 俺は訳もわからない悲鳴をあげた。 恨んでやる、死ぬまで恨んで恨んでやる!! 俺から大事なものを奪ったその罰として恨んでやる!!
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