序章

1/2
前へ
/13ページ
次へ

序章

元亀4年(1573年) 3月 「御恨みします……、父上。」 俺はあのとき見たのだ、父上が…… 俺は生き場を、大切な人を亡くした…… 死のうと思っても死ねない、脳裏に浮かんでくるあの言葉のせいで…… 右近、お前は生きろ、生き続けろと…… 俺は大切な貴方を失ってどう生きろと? あのとき、止めさえしていれば貴方は生きてたのにまた、俺を抱いてくれたのに…… 貴方がいなければ俺という存在が無くなってしまうではないか…… この十字架に縛られてるせいで俺はあの方の元さえ逝けないのか…… そう、俺はキリシタンだから自害は禁じられている。 キリシタンでは無かったから俺はすぐあの方の元へ逝けたのに……
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加