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序章
元亀4年(1573年) 3月
「御恨みします……、父上。」
俺はあのとき見たのだ、父上が……
俺は生き場を、大切な人を亡くした……
死のうと思っても死ねない、脳裏に浮かんでくるあの言葉のせいで……
右近、お前は生きろ、生き続けろと……
俺は大切な貴方を失ってどう生きろと?
あのとき、止めさえしていれば貴方は生きてたのにまた、俺を抱いてくれたのに……
貴方がいなければ俺という存在が無くなってしまうではないか……
この十字架に縛られてるせいで俺はあの方の元さえ逝けないのか……
そう、俺はキリシタンだから自害は禁じられている。
キリシタンでは無かったから俺はすぐあの方の元へ逝けたのに……
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