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「それで?今から来るって言うのか?」
「いまお客さんとの打ち合わせが終わったから、こっちに向かうって。1時間くらいで着くんじゃないかな」
はぁ………。
気が重いな。
ピンポーン♪
「あれ?もう来たのかな?早いな……」
あの人のやりそうな事だけど。
もう来たのか、まだ心の準備ができていないんだけどな。
玄関までで迎えに行った祥平と一緒に部屋に入って来たのは、言うまでもなく龍崎貴浩兄さんだった。
「よう、翔真。仕事以外で会うのは久し振りだな」
「貴浩兄さん、ご無沙汰してます。早かったですね」
「ああ、すぐそこで打ち合わせしてたからな。あれ?もっと遅い方が良かったのか?」
その通り!なんて言えるわけないが、図星だったことは多分お見通しだろう。
「祥平、今日は言えたのか?サチさんとのこと。まさかそのせいで文子さんヘソ曲げたんじゃないか?」
「人聞き悪いな、貴浩兄さん。母さんがヘソ曲げたのは翔真兄さんのせいだよ」
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