可愛いあの子

2/4
前へ
/4ページ
次へ
「最悪だ……この世の終わりだ……」 ……なんでこんなことになってしまったんだ。 ああ、あいつが、 あいつがあんなことを云うからだ――。 十分ほど前。 僕は一本の電話を受けた。 「ああ、ショースケ?いまいい?」 「ん?あー、ちょっとだけ、なら」 机の上をちらり。 ……まあ、ちょっとくらいは大丈夫か。 「あのさ。キョーコちゃん、だっけ? おまえが可愛いって云ってた同じ学部の子。 ……あの子、あれだぞ?」 「あれって?」 「あれだよ、……あれ」 「あれじゃわかんねーよ」 歯切れの悪い友人にイライラする。 それに、時計はそろそろ予定時刻を指してる。 「……はぁーっ。 いいか、いまから云うことにショックを受けるなよ?」
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加