非日常の始まり、

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カメラを渡すと連写を始めた。 …それ、盗撮って言うんじゃねーですか。俺どうしたらいいの。 素直に副会長達に撮られてる事言ってあげればいいのか、終を真似て写真を撮ればいいのか。 難しい選択肢しかない。 まず共犯にはなりたくない。 あ、でも、ここに居る時点でもう無理な気がする。 入学式早々、遅刻かましてるんだから担任に怒られる運命からは逃れられない。 終「ちょ、ちょちょちょちょちょッ」 鬱な気分で地面を見詰めている俺の隣で叫んだ腐男子は、絶望したような表情を浮かばせている。 一体おまいに何があったと言うんだ。 訝しげに終を見た後、副会長達へ視線を向けると、普通に副会長が転校生を案内している所だった。 あれがどうかしたのか。 普通の光景な気がする。 終「う、うう…嘘だ!キスはどうした!…何のために遅刻してまでここに来たとッ!」 はい? …キス?ちょっと待とうか終君。 攻「もしかしてさ、このノンケの俺に男同士のキス何て気色悪い光景を見せようとしてた…なんて事、ないよね」 終「え?そうだけど。」 ブチッ 攻「あ、ごめん。手が滑った」 終「ぎゃああああああああ!!!!!!」 自業自得だと思え。 終「か、カメラがあぁぁぁ!!データ消えてないよね!??!!!!?!」 煩い腐男子を横目に立ち上がる。 これ、遅刻損だよね。完璧。 どう責任取ってくれるのか。 それなりにイケメンの腐男子の顔にデコピンを喰らわせてから眉を寄せる。 攻「いい加減戻んないと、担任激おこのはず。…勿論今日の昼奢ってくれるんだよね、しゅーうーくーんー?」 終「はっ、忘れてた!当たり前じゃないか、この借りは返します!」 立ち直りの早い終を苦笑しながら見て、2人でクラスへ全速力で走った。
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