一章 出会い

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まったくゴルドーの野郎何考えてやがんだ!? 俺に一億ハーツの賞金かけるくらいなら、金を貸してたこと、チャラにしてくれたっていいじゃねーか! ゴルドーにとっちゃ二億の損失だぞ! しかも生死問わずって…! そんでもよくよく思い返してみると、だ。 あいつから金を借りる時、俺、二億の保険金をかけられたんだよな。 『一年後にきっちり返せばなんの問題もない。 保険も金を返した時に取り消してやるから安心しな』 ってのがゴルドーの主張だった。 俺は妙に思ったもんだ。 妙に思いはしたが──、 ──ま、ほんとに意味合い的には『保険』だろ。 そう、簡単に考えていた。 普通ならこんな保険に意味はない。 だってそうだろ? 保険金の受取人が、相手を殺しておいて金を受け取れるわけがねぇ。 定かじゃないが、きっとなにか裏で手を回して、俺に懸賞金をかけて殺しても保険金をもらえる手はずになってんだな。 まったく色々ムカつく野郎だぜ。 それはともかく、だ。 「さて、どーしたもんかな」 この賞金首ポスターのせいでこの頃じゃゴルドーの手先だけじゃなく、そこらの賞金稼ぎからも命を狙われる毎日だ。
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