二十四章 アルフォンソ

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踊り場を折り返す様に、五段の階段。 そしてまた小さな踊り場があって、折り返して五段……。 んな風に、階段は下へ続いていく。 ザックリとした俺の見立てじゃあ、この五段・踊り場・折り返して五段、の一括りで、大体一階層下に下がったって感じじゃねぇかな? 三階から二階へ、二階から一階へ。 ムダ話は一切せずに、ダンと共に下へ下へと下っていく。 そうして(恐らくは)一階部分と思われる所まで階段を下りた──ところで。 そこは行き止まりになった。 下った五段の階段の後は小さな踊り場。 地下の通路に繋がるなら更に折り返しの階段が必要なハズ、だと思ったんだけどな。 「……行き止まりか……?」 後ろのダンも、俺の視線の先と同じ壁を見、小さく口にする。 けど……。 ここまで凝った仕掛けをして秘密の階段までこさえてさ。 それでその先が行き止まりだなんて事があるかよ? 俺はダンへの返事の代わりに「う~ん」と思わず唸りながらランタンを掲げ、開いてる左手で目の前の石壁を探る。 他と同じく、細長い長方形の石をレンガ調に積んで出来た壁だ。
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