二十六章 決着

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◆◆◆◆◆ レイジスの兄貴が取ったサランディール城までの道のりは、俺がここ数日間メイドとして城に働きに出ていた道とほぼほぼ同じ道だった。 城下町の、それも中央部の大通りを通るルートだ。 その中をこんだけの大人数を抱えて、慌てる事なく通っていく。 そいつはもう『お忍びで』って感じじゃなく、完全に向こうに存在を知らしめるのが目的だってくらい堂々としたもんだった。 レイジスの兄貴を先頭に、ガイアスと二人の護衛、そして俺とミーシャ(……と、まぁそこに犬カバも加えといてやるか)。 その脇と後ろにはさっきガイアスん家に集まっていた数多くの、レイジス風に言うなら『勇士』達が続いて、列を成してる。 こん中で明らかに浮いてんのはもちろん俺と犬カバだが、誰も俺らの事を見咎めたりするもんはいなかった。 そーいやジュードの姿が見えねぇってなった時にミーシャに『我々から離れぬ様、』と注意したあの騎士も、俺がミーシャの馬に乗ってる事自体にゃあ何も言ってはこなかった。
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