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フツー大事な姫様が同じ馬にどこの誰とも分からねぇ男を乗せてるとなりゃあそれなりに何かしらの反応があっても良さそうなもんだが。
まぁ、姫の馬に乗るな、とか何とかギャーギャー言われてカッコ悪くも引き摺り下ろされるよか千倍いいんだけどよ。
まぁ、それはそれとして。
「……この重要な時にジュードもゴルドーも、一体どこ行きやがったんだろーな?」
半ばうんざり混じりの息を吐きつつ、俺は前のミーシャへ向けて問いかけるでもなく声をかける。
サランディール城に着くまでまだ少しある。
これくらいの無駄口を叩くくらいの余裕も時間もあった。
俺の独り言にも近い問いかけにミーシャは「うん……」とどこか気がかりそうに返事を寄越す。
もしかしたら、ミーシャも俺と同じく嫌な予感がすんのかもしんねぇ。
もし今この時にジュードが何か行動を起こすとしたら、一体何なのか。
ここまで割と真剣に考えてみたが……思い当たるとすりゃあ、答えは一つだ。
けど……。
あいつ、本気でそんな事するだろうか。
段々と空が明るんで、太陽の光が俺達の後ろ側から差してくる。
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