二十六章 決着

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けど……ジュードがそいつをするに、心当たりがねぇ訳じゃねぇ。 レイジスやミーシャが来る前にセルジオを葬り去らなきゃならねぇ理由……。 そいつはもう、アルフォンソの事以外に考えられねぇじゃねぇか。 セルジオがどういう理由でアルフォンソを幽閉してたかは定かじゃねぇ。 が、もし万が一奴が、一年前の内乱の時に王と王妃を殺したのがを知っていたら。 そしてその事をレイジス達にぶちまけたら。 今は倒れちまってるからいいが、アルフォンソの体調が戻った時、今度は幽閉じゃなく父母殺しで牢屋に入れられる……なんて事にもなりかねぇ。 そいつはジュードからしたら耐えられねぇ事だろう。 だから、レイジス達が来る前にセルジオの口を塞ごうと考えた。 ジュードならこっそり早馬を飛ばすなりなんなり、先に城に入る事も出来ただろうしな。 それにしても。 んな重要な事、黙って一人で行っちまうなんて、水臭ぇじゃねぇか……ジュード。 俺の問いかけに答えたのは、ジュードじゃなくレイジスだった。
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