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「ジュードが何か動くのならこのタイミングかと思ってね。
ゴルドー殿につけてもらっていた。
結果としては正解だった様だな。
さて……」
言って──レイジスはサッとジュード達から未だ少し動揺した様子のセルジオの方へ向き直る。
「セルジオ·クロクスナー。
お前があの内乱を引き起こし、アルフォンソ兄上を幽閉し、サランディール国を好き勝手に操っていた事、既に全て聞き知っている。
然るべき処罰を受けてもらう」
レイジスのその言葉に。
セルジオは、一瞬前までの動揺を すっ、と腹の底に引っ込めた──様に見えた。
ダークグレーの眼が冷たく──だが、強く澱んだ光を放つ。
その唇が皮肉げに歪み、ハッと鼻で笑う様に息を吐いた。
そうして──あの十二年前と同じ、凍りつく様な冷たい声でレイジスに向かった。
「── 一体何を仰られるかと思えば。
この私が内乱を引き起こした?
アルフォンソ殿下を幽閉?
一体何のお話です」
その、声を聞いた瞬間。
俺は頭の先からザァーッと血の気が引いていくのを感じた。
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