一章 出会い

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眉を寄せながら近づくと、皿の上に乗っていた干からびた“何か”は元は野菜だったらしい事が分かった。 ワイングラスには元々は八分目くらいまで入ってたんだろう、グラスの中にうっすらと輪じみが幾層かに渡ってついていた。 グラスの隣には栓の空いたワインのビンが置かれてる。 俺は眉を寄せたままそいつを手にとって年代を見る。 今から150年も前に作られたワインだった。 まったく、惜しいったらないぜ。 栓が空いてなけりゃ、そこそこ高く売れたかもしれねぇのに。 年代物だしな。 ──って、待てよ? 案外どこかに、まだ栓が空いてないやつが残ってるかも…。 考えて、俺はちらっと壁際に置かれたガラス張りのチェストを見やる。 ビンゴ! そこにはご丁寧に4本のワイン瓶が並べられていた。 俺はうきうきしながらガラス戸を開き、瓶を手に取る…が、 「──ありゃ?」 やたら軽い。 目を丸くして栓を見ると、なんと栓が抜けていた。 瓶の口から中を片目で覗き見る…が… 「~なんだよ、一滴も入ってねぇじゃねぇか」 俺は次々に他の瓶を手にとって中を確かめてみた。 けど、どれ一つとして中に液体が入ってるもんはなかった。
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