二章 ギルドの依頼

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『なー、おい。 こんなでっけぇ鉄のかたまり、本当に空飛ぶのかよ?』 俺が言う。 声変わりもしてない昔の俺の声に、ヘン、と誰かが鼻で笑って見せた。 『ったりめぇだ。 いいか?こいつにはなぁ、お前なんかにゃ分からねぇ色ーんな機械が詰まってんだよ。 科学の力で空を飛ぶんだ。 見てな、そのうち俺がついーっと世界一周して戻ってきたら、おめぇもこの飛行船に乗せてやるよ』 『ふ~んだ、なんだよ、えらそーに。 こんな鉄のかたまりで空飛んで世界一周なんか、出来るもんか』 『ったく、夢のねぇガキだなぁ。 まあいいさ。そん時がくりゃ、俺の言ったことが本当になったかどうか分かるだろうさ。 だがその前にちいとやることが出来ちまってな。 飛行船で出発すんのはそのあとだ。 早けりゃ明後日には飛ぶから、せいぜい首を長~く伸ばして待ってな』
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