三章 投資

2/58
251人が本棚に入れています
本棚に追加
/1535ページ
「リアちゃ~ん、快気祝いに来たぜ!」 と、相変わらずのノー天気さで家の戸口を叩いたのは──わざわざ開けてみるまでもねぇ、ラビーンとクアンの二人組だった。 俺はうんざりしながら目を天井へ向け、はーあと息をつきながら家の戸口に手をかける。 そうして── 一転にーっこり微笑んでドアを開けた。 「まあ、二人ともいらっしゃい。 来てくれてうれしいわ~」 にこにこしながら出迎える……と、案の定外に立っていたラビーンとクアンの二人組が、でれでれしながらこっちを見てやがる。 「いや~、リアちゃん、本当に元気そうで何よりだぜ。 それにちょっと見ねぇ間にまた一層きれいになって!」 「ほんとほんと!あっ、リアちゃん、これ俺から」 言ってクアンがまたいつもの花束を俺に差し出す。 「あぁ!?てめぇ、抜け駆けはナシって言ってんだろーが! ~リアちゃん、これは俺からな」 クアンにはギッと大きく一睨みして、俺にはへらへら~っと笑って、やっぱりいつもどーりの花束を出してくる。 俺はその二つの花束を受け取って「ありがとう、うれしいわ」とにっこりしてやった。 とろけそーな顔で、二人が いやぁ、だの どーいたしまして だの言ってくるのを笑顔のまま見つめながら──俺は、自分のここ二週間の事を思った。
/1535ページ

最初のコメントを投稿しよう!