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「おまえ、ンなデカい図体で何やってんだよ。最後、どうせ余計なこと考えたんだろ」
「んー。まあ・・・サッカー部でもない俺に点を入れられたら、相手は相当ショックかな、とは思った」
「ハア!?もうテメエは一生サッカーすんな!!」
「いや、授業だし。やらないワケいかないから」
「もう本当マジ、松原は優しすぎんだよなー」
ユイの周りを取り囲んでワイワイとやっていた仲間たちも、ユイのその発言を聞いて苦笑いしながら去って行く。
『松原なら仕方ない』
みんながそう思っているのが伝わって来る。
・・・そう。
あれよあれよという間に成長してしまった厚い胸板、長身、ガッシリとした体。その上、スポーツ万能。
なのにヘタレで、甘ったるくて、うんざりするくらいに優しいコイツは・・・みんなに愛されてる。
出会った中学の頃から、ずっと。
「チハ、ごめん。次は頑張るから」
「・・・・」
えへへ、と笑うユイの顔を見ていたら胸が苦しくて、思わずプイと視線を逸らした。
「次なんかねえよ」
ヘコんでしまえ、と思うのに。
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