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「最悪だ……この世の終わりだ…」
うわ言のように俺は呟いた。
茹だるような暑さ。
アスファルトの照り返しが俺の頭皮や腕、首とじわじわと肌を焼くようだった。
ぼんやりとした頭で、帽子でも被っときゃ良かったわと他人事のように思う。
天を仰いだ。
そして、気づいた。
「いやいや、もう俺の世界は終わってんだよ」
寂しい独り言が漏れる。
俺は眼下に広がる景色を他人事のように見た。
車と、救急車と、パトカー、数人の野次馬と、ひしゃげた自転車。
さっき、俺は、この崖から落ちて、挙げ句、車に跳ねられたんだ。
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