終わってしまった世界の話

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思い当たったようにゲコは「ああ」と小さく声を上げる。 「そんなことはいいのよ。何処から声出てるの? 盗聴は犯罪よ」 ゲコはクッションを机に向かって投げたり、机の上のノートをめくる。 「盗聴機なんてないから」 「はあ?」 ゲコは俺の言葉を無視して机の裏を覗いていた。 「いいから聞け。手を止めてくれよ。俺、死んだっぽい。てか、お前、このサークルで唯一のオカルトオタクだろうが。信じてくれよ」 「はぁ?……ああ、分かった。隠れて私のこと馬鹿にしてるのね」 ゲコは床の漫画を拾い、俺の方に向かって投げる。 「あっぶね! お前、実は見えてるんじゃないのか?」
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