93人が本棚に入れています
本棚に追加
/367ページ
翔太は太郎を友達だとは思っていない。知り合い。クラスメイト。フィギアの約束で付き合うだけ。そうしたドライな認識は太郎だけではない。二次元さえあれば満足なので、翔太は現実世界で積極的に他人と仲良くなろうとはしなかった。
時計を見ると、あと少しで0時を回る。このまま何も無かったら太郎を説得してこの場を離れよう。そう考えた時、
「『ばじ☆ぱじ』参加者の方ですか?」
突然背後から声をかけられた。翔太は心臓が止まりかけた。
振り返ると、そこにはいつからいたのだろうか、猫耳を付けたメイドが一人立っていた。
……猫耳メイド!?
彼女の不意の出現とこの場にそぐわない格好に、二重に驚いた。見ると太郎も同じらしく、口をあんぐりと開けて彼女を見ている。
「『ばじ☆ぱじ』参加者の方ですか?」
猫耳メイドはにっこりと笑うと再び問いかける。
最初のコメントを投稿しよう!