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「先生を好きとかじゃなくて……」
遥は口ごもった。
(昨日廊下で熱く迫られた時に、窪田先生に思わずときめいてしまったなんて正直に言えない……。だって口説かれたわけじゃないのに好きになっちゃったなんて、笑われちゃう……)
「じゃあ、そんなにお茶を飲みたいのか?」
「違う!」
「お茶についてくる和菓子を食べたいんだな?」
「だからそんなんじゃないって! 己を見つめ直すのよ! それに先生は私たちの初めての理解者じゃない? もっと話したいし……。悪くないでしょ!?」
「もっと話したい。もっと知りたい。つまり、窪田に興味があるってことだろ? 俺が遥のときにやらなきゃいけない。だからいやだなあ」
「茶道部の活動は一週間に一回だけだし! いいよね! 翔が行きたくないときは休めばいいから! 事情を知っている窪田先生なら、きっと承知してくれるから!」
もう決定事項。
翌日、遥は茶道部の入部届けを出した。
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