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「何を作っているの?」
「焼きそばサンド」
「へーー。パンで焼きそばを挿むのか。……遥が何か言うかもね」
母は遥の性格をよく分かっている。
もう登校の時間なのに、遥がまだ起きてこない。
「遥の奴、寝坊か?」
翔が起こしに行こうかと思っていると、「わーー、寝過ごしたあーー」と、バタバタと大騒ぎしながら2階から下りてきた。
寝癖頭の遥は翔が作っている焼きそばサンドを見ると、「えーー、なにこれ! 炭水化物と炭水化物じゃない!」と嫌がった。
「文句があるならてめえで作れ!」
毎日翔が早起きして弁当を作っているのに、中味に文句を言われては、たまったもんじゃない。
「ぶーー」
遥は膨れたが、「購買のパンよりマシね」と、ホイルで包んだ焼きそばサンドをカバンにしっかりとしまった。
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