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昼休みになると、翔は1―A教室で、焼きそばサンドにかじりついた。
「はーーー、最高にうめえーーー」
我ながら美味しく出来たと大満足。
(家で焼きそばサンドを見た遥は不満そうだったが、きっと今ごろ、うまいうまいと食べているはず)
などと思いながら食べていると、佐野が弁当箱を持って、食べながら歩いて話しかけてきた。
「モグモグ……。さっき職員室へ行ったんだが……。モグモグ……。なにやらざわついていて……。モグモグ……。どうもなにか大事なものが無くなったようだ……。モグモグ……。それ、うまそうだな」
行儀の悪い器用さを発揮する佐野に、翔はたまらず注意した。
「食べるか、喋るか、歩くか、どれか一つにしろよ」
「じゃあ、食べる」
佐野は空いている席に座ると、メシを全部かきこんだ。
食べ終わった佐野は、弁当箱をカバンに片づけた。
「ぷはーー。さあ、食べ終わったから、さっそく行こう!」
「どこへ?」
「職員室だろ?」
佐野は翔が一緒に行くと決めつけている。
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