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「歴史上の人物」
というお題でタイムラインが流れていた。そのなかに「日出処の天子」の話題があったが。レアだなあ。
むかし、読んだときは歴史ものの少女漫画、とくに日本史ものは少なくて、おおよそ西洋かぶれと呼ばれるものの、コスチュームプレイ(時代劇)だった。
ドレスで女子の気を惹くという、アレだ。
日本史、ことに古代から近世にかけての天皇家の歴史は、こみいっている。専門家やマニアでなければ理解するのは困難だと思われる。
その困難な天皇家の歴史に引きこまれる要因のひとつになったのが、くだんの書、「日出処の天子」だった。
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マンガの中では聖徳太子は、母におそれられる能力者で、孤独と闘いながら道をさがす。蘇我氏は当時、いちばんの権力者であった。のちの藤原氏はこれを模倣したものと思われる。
母方の祖父も父方の祖父も、伯父の祖父も伯母の祖父も、みーんな蘇我氏。当時皇族しか皇后にはのぼれなかったので、蘇我氏系の皇女が皇后にのぼり、天皇・皇后ともに蘇我氏の血を引くことで蘇我氏は権勢を強めていった。
というようなことを学んだ。
閨閥政治という中国の政治形態に似ている。
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複雑な血縁関係に人間関係、皇統のたどりかたなどに興味をもって、「なぜ、つまらないことばかり教えて、こんなにおもしろい人間ドラマを教えないのだろうか?」と不思議に思ったものだ。教えないのは、あたりまえなのだけれど。
歴史学者がなぜ歴史に魅入られるのか、わかるような気がする。人間関係がおもしろいからだ。物語以上に複雑で数奇で興味深いからだ。
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ところで、
「日出処の天子」は聖徳太子が同性愛嗜好のようにも受け取れる描写はあるが、わたしはいわゆるBLを好きではない。毛嫌いするほどでもない。関心はないというだけで。なので迫害する気持ちももちあわせていないし、応援をするほどの熱意もない。
男性を愛する女性以外の人がいる、ということそのものには、むしろ、安心することがある。なぜなら、彼女たちはわたしを性的な対象としないからだ。
安全圏。女子は(わたしではなくても)、性的な対象外=安全圏(セーフティゾーン)にいれば安心する。安心できる。まあ、わたしを見て異性として意識する輩がいるかどうかはわからないけれど。
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