不安の始まり

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店をおばさんに任せ、一度家に帰り王都に向かう準備をする。 僕は基本武器などを使わず、スピード重視のインファイト型なのであまり鎧を着たりはしない。 それでも必要な装備、消費アイテムを一通り揃えた後、フレイと合流する。 「お待たせ、久々の正装に手間取っちまった。」 「おう、遅かったなフレイ。 ...ってお前なぁ、ここから王都までは1週間くらいかかるんだ、なにも今からそんな正装をする必要ないだろ...」 「ああ、言われてみれば。」 なんだかんだで国王からの久々の呼び出しにあいつもプレッシャーを少しは感じてるようだな。 ふむ、そう思うと緊張してきたぞ。 国王に呼び出しをくらうということは余程良くないことが起きているということだ。 「よし、これでオッケー。」 上に着た装飾入りの鎧を脱ぎ、布の服の上に革のジャケットに着替えるフレイ。 まあ僕達の居るオルタ村周辺の魔物は弱いためそんなものでいいだろう。 「じゃあ行こう。」 こうして僕達の久々の冒険が始まった。 オルタ村はシエアール国の東端の村。 シエアール国の王都は国の西側にある。 そのため僕達は西へと旅をすることになるのだが... 「まずはシャーシ村だな」 王都とオルタ村の間にあるシャーシ村に僕達は向かうことになる。 そのシャーシ村に向かうまでにある森が少し厄介なのだ。 「森はどうする、下手したらレッドドラゴンに遭遇しかねないが。」 そう、あの森にはレッドドラゴンが稀にくることがある。 原因は諸説あるが、恐らくあの森にいる動物の肉がレッドドラゴンの好物である為、それを食べに来ているだろうという説が最も有力だ。 「...突っ切ろう。」 「ユーリならそう言うと思ったぜ。」 「伊達に勇者やってないからな。」 正直レッドドラゴンは気性は荒いが、ドラゴンの中では弱い部類に入るので2人でも何とかなるだろう。 「じゃあユーリの言う通り森に向かって歩きますかー。」 僕達は馬を持っていないため歩きでの移動が主になる。 魔王討伐の時はミーシャが転移魔法を使えたため馬が必要なかったからだ。 あーあ、馬飼っとけば良かったかな。
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