黄昏のメヌエット

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「――はー……だっるぅ」 「たまにはいいじゃないですか。こういうスリルがないと――ね?」  俺の隣で舌なめずりするのは鴇(トキ)ちゃん。 俺のパートナー――と言っても、別に彼氏彼女関係とかそういうんじゃない。 相棒、という意味だ。 トキちゃんはいつもの敬語口調はそのままだけれど、【今の状況に】ちょっと気分が高ぶっているらしく。  わー……暗黒微笑。 「……たまにはってトキちゃん、この展開はちょーっと予想外じゃね?」 「そうね、鴉(カラス)ちゃん。しょうがないって事で気合い入れてきましょ」  カラスは俺の名前。 俺がトキちゃんって呼び出したらトキちゃんもカラスちゃんって呼ぶようになった。 それはともかく、俺は握っていた箒の穂を上にして、柄の先端を床に叩きつける。 「――うっし。んじゃ、お掃除しますかぁ」  俺達は、掃除係だ。
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