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スマートフォンを覗きこむ女子は、しかめっ面をしていた。
と思ったら、顔がにやけた。
いや、しかめっ面だ。
携帯を触る女性の背中側から、声が響く。
「あんた、早よ寝りぃ」
「あっ、ねーさん!この出だしどう思う?」
すでに時計の短い針は12時を超えていた。
タオルで髪の毛をゴシゴシしながら、ねーさんと呼ばれた女性は携帯画面を触る女子に近寄ってくる。
「ん、どんな内容なん?」
「男子高校生が、普段見えないものが見えるようになって、見えないものから、好かれちゃうお話しなんだけど、で、見える原因になった人(男性)、年齢不詳の人から、メタンコ好かれて、押し倒しされて、なんかもう、しょうがなく付き合うようなお話しなんだけど、そうなるまでに、エロあり、笑いあり、妖あり、俺様ありー!
ハァ、ハァ、ハァー、、、」
一息にまくし立てて、話したもんだから少し顔を赤くして、息を整える。
「…。ごちゃごちゃ、しすぎ」
「あ、はい」
こうして、女性の作品は修正されまくる日々となるのだった。
「BLファンタシー作品って、難しい」
静かな夜に、その言葉だけが響く。
完。
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