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「みずは」
彼女は耄碌している。
隣に羊を連れて海に流された気でいる。
羊皮紙を片手に
赤ん坊のオムツはどこだろうと
きょろきょろしている。
僕は彼女を馬鹿にする。
だって自分の目はなぜ二つなんだろうと
ペタペタと足の爪を触っているのだもの。
彼女は僕を阿呆だと言う。
だって何にも疑問がないのだものと
大笑いしている。
水銀みたいな空が落ちてきそうで怖い。
でも綿あめみたいな雲は好き。
オスの犬はちょっと怖いけど、
やっぱりかわいい。
ターザンになってみたい。
服を着るのは大層面倒くさい。
海はやっぱり怖い。
羊を愛してる。
あなたのことは、
ちょっとわからない。
でもだから、
多分好きなんだと思う。
やっぱり彼女は耄碌しているけれど、
とても可愛らしく思う。
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