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「見せろ見せろ」
おい見せろ。おい見せろ。悪性を見せろ。持っているなら見せるんだ。ないとは言わせない。悪性を見せろ。
それはどこにある。そこにある。「人」の中にある。「ヒト」の中にある。「心」の中にある。「身体」の中にある。「私とお前らの中」にある。
悪性を見せろ。
汚い「皮」を被るんじゃない。腐った水より醜くて、輝くダイヤほどに卑しい「皮」を被るな。
そこに包んだ悪性をどうした。亡き者に出来たのか。目は逸らせたか。的は外せたか。誰かに押し付けたのか。
それは死んでいることと何が違うのか。「死」とは何だ。心停止か。脳死か。それとも「それ」から逃げる事か。
悪性を見ろ。
一度それを目にすれば、眼球は溶け出すだろう。鼓膜は抉り出されるだろう。鼻は削られ、喉はレンコンの如く穴ぼこになるだろう。
だからなのか。だから見ないのか。恐れ慄いているのか。逃げおおせると思っているのか。
悪性を見ろ。
酷く欠損し、多くを失ったお前は何を見る。溶けて流れたその眼で何を見る。悪性を見るのだ。己が悪性を凝視するのだ。
己が悪性を飲み下せ。そいつは腹の中を切り裂き、「外」へ出たがるだろう。お前の血肉になることを拒むだろう。吐き出したら再びすすれ。悪臭漂う「それ」を這ってでも飲み下せ。
お前は四肢をもぎ取られ、胸を踏みつぶされ、残った部分を千枚通しで刺し通されるだろう。
そうまでして悪性を知ったお前は何を得る。何が得たいが故にそうしたのだ。
悪性を見せろ。悪性を見ろ。
さすれば「お前」は「私」を得るだろう。さすれば「私」は「お前」得るだろう。
互いの。互い悪性を見ろ。愛すべき悪性を。
向かい合った互いの姿は何よりも醜いだろう。そうだろう。
だからこそ。だからこそ何よりアイセルだろう。お互いが無二になろう。
ただれた姿で、ただれた笑顔が浮かぶだろう。
悪性を見せろ。悪性を見せろ。悪性を見せろ。醜悪を見せろ。害悪を見せろ。悪魔を見せろ。悪態を見せろ。おい見せろ。悪性を見せろ。
そうして。
世界の優しさを見ろ。
またラーメン食べにいこな
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