新しい一歩

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つくばの駅に着き、五人は改札口を抜けてそこで店の場所をもう一度調べた。 「見えるじゃない!」 「どこどこ?」 樋口が青田の看板に気が付き、それをサヤカが探した。 加瀬はさっきからサヤカの隣りにいる。 気があるのはすぐに分かった。 「野山さんって美人だよね」 「脚が長い」 タクマの隣りにチエミがいた。 「カレシいるのか気になる?」 「別に!」 それにしてもチエミは背が低い。百五十センチあるのだろうか。 「タイプじやない?」 「好きになっても好かれるはずないし。負け戦はしないんだ。平さんは加瀬くんなんてどうなの?」 「彼は野山さんだよ。見てて分かる!」 チエミの上着がやたらキツそうなのは、無理やりボタンを留めていたからだった。 タクマは気が付かない振りをしていた。 頭の片隅で、良からぬ妄想が止まらなかった。 「平さん、お店、見つかったよ!」 後ろから付いていく二人の元にサヤカが近づいてきた。 「私、心配だな。店舗より倉庫が良いんだよ」 サヤカの意外な言葉に二人は驚いた。 「でも野山さんは店舗じゃないかな?」 チエミが答えた。タクマもそう思った。
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