3人が本棚に入れています
本棚に追加
つくばの駅に着き、五人は改札口を抜けてそこで店の場所をもう一度調べた。
「見えるじゃない!」
「どこどこ?」
樋口が青田の看板に気が付き、それをサヤカが探した。
加瀬はさっきからサヤカの隣りにいる。
気があるのはすぐに分かった。
「野山さんって美人だよね」
「脚が長い」
タクマの隣りにチエミがいた。
「カレシいるのか気になる?」
「別に!」
それにしてもチエミは背が低い。百五十センチあるのだろうか。
「タイプじやない?」
「好きになっても好かれるはずないし。負け戦はしないんだ。平さんは加瀬くんなんてどうなの?」
「彼は野山さんだよ。見てて分かる!」
チエミの上着がやたらキツそうなのは、無理やりボタンを留めていたからだった。
タクマは気が付かない振りをしていた。
頭の片隅で、良からぬ妄想が止まらなかった。
「平さん、お店、見つかったよ!」
後ろから付いていく二人の元にサヤカが近づいてきた。
「私、心配だな。店舗より倉庫が良いんだよ」
サヤカの意外な言葉に二人は驚いた。
「でも野山さんは店舗じゃないかな?」
チエミが答えた。タクマもそう思った。
最初のコメントを投稿しよう!