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「麗香……」
名前を呼ばれるだけで、身体の芯がきゅっと締め付けられる。
他の女も同じように抱くの?同じ熱い目をして、こんな情熱的に他の女も――
快感に伴うのは、初めて芽生えた複雑な想い。
この感情をどう伝えて良いのか分からない。
身体の中で波打つ彼の熱が嬉しいのに、奥を突かれる度に切なさが込み上げてくる。
彼が欲しい―――彼の全部が。
「んぅっ……は…っ…あぁ…悠希…いぃ…もう、来ちゃう…」
もっともっとと言うかのように、貪欲な身体は熱を締め上げ奥へ奥へと引き込もうとしている。
下腹部にたっぷり捩じ込むように何度も押し込められると、大きな波が迫上がりビクビクと下肢が引き攣り始めた。
「……麗香……俺も…」
熱い吐息を落とし薄っすらと汗を貼りつかせる彼は美しく、苦しげに告げる表情は見惚れるほど妖艶に目に映る。
激しく揺さぶられる身体。震える様な快感が背筋を駆け上がる。
悠希……悠希……来て欲しい……
もっと、私の中に……
「―――あぁぁああああっ!」
「……くっ……っ」
身体がビクビクと痙攣しながら宙に浮く。
迸る灼熱を全て受け止めると、私は絶頂の余韻に震えたまま白い闇に落ちて行った――――。
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