愛は初恋とともに

35/48
前へ
/844ページ
次へ
「麗香……」 名前を呼ばれるだけで、身体の芯がきゅっと締め付けられる。 他の女も同じように抱くの?同じ熱い目をして、こんな情熱的に他の女も―― 快感に伴うのは、初めて芽生えた複雑な想い。 この感情をどう伝えて良いのか分からない。 身体の中で波打つ彼の熱が嬉しいのに、奥を突かれる度に切なさが込み上げてくる。 彼が欲しい―――彼の全部が。 「んぅっ……は…っ…あぁ…悠希…いぃ…もう、来ちゃう…」 もっともっとと言うかのように、貪欲な身体は熱を締め上げ奥へ奥へと引き込もうとしている。 下腹部にたっぷり捩じ込むように何度も押し込められると、大きな波が迫上がりビクビクと下肢が引き攣り始めた。 「……麗香……俺も…」 熱い吐息を落とし薄っすらと汗を貼りつかせる彼は美しく、苦しげに告げる表情は見惚れるほど妖艶に目に映る。 激しく揺さぶられる身体。震える様な快感が背筋を駆け上がる。 悠希……悠希……来て欲しい…… もっと、私の中に…… 「―――あぁぁああああっ!」 「……くっ……っ」 身体がビクビクと痙攣しながら宙に浮く。 迸る灼熱を全て受け止めると、私は絶頂の余韻に震えたまま白い闇に落ちて行った――――。
/844ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7110人が本棚に入れています
本棚に追加