7110人が本棚に入れています
本棚に追加
「ううん、外で食べるのはいい。お腹そんなに空いてないし。それにしても、クッキーが出て来るなんて意外。甘いモノ好きなの?」
モロゾ〇のクッキーの詰め合わせを見つめて微笑む。
「いいや。特別好きでも嫌いでも無い。それは退院した患者がくれたやつ。ナースステーション分と俺の分を二つくれたから持って帰って来た。彼女と一緒に食えってさ」
蓋を開けた缶を私の前に差し出し、彼が横に座ってニッコリと笑う。
「彼女と一緒に……」
「そう、だからどうぞ。クッキー嫌いか?」
「……ううん、大好き」
咄嗟に『彼女』という言葉に過剰反応をしてしまった私は、チョコ味と思われる正方形のクッキーを遠慮がちに摘まんだ。
「んじゃ良かった」
そんな私の様子を眺めてあどけなく笑う彼。
私って、彼女になったの?しかも4番目の?
―――あ、止めよ。そう言う事を深く考えるのは。
考えてもまたモヤモヤするだけ。
私の位置付けは彼自身が決める事であって、私がいくらモヤモヤイライラしてもどうにもならない。
どうにもならないけど……
最初のコメントを投稿しよう!