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「私はこの子の保護者よ」
「保護者だぁ!?」
「そうよ。文句あるの?」
「さっきからその言葉使い……もしかしてゲイ!?」
ビジネススーツを美しく着こなし、外見からはまるで想像も出来ない、彼のお姉言葉に驚嘆する男。
「重ね重ね失礼ね!私はゲイじゃないわ。バイセクシャルよ!」
「バ、バイセクシャル!?」
「そうよ、男もOK。女もOK。性別問わず愛せるなんて素敵でしょ?」
目尻にしわを刻んで「ウフフ」と微笑む磯崎さん。……ちょっと、話の方向性が狂ってない?
動揺しながら彼を見る。
「あの、磯崎さん……どうしてここに?」
私はバツの悪さに表情を固め、仁王立ちする彼を控え目に見上げる。
「麗ちゃん、この坊やは新しい彼なの?」
「へっ?」
「今、麗ちゃんが真剣にお付き合いしている彼氏なの?」
私の問いをさらりと無視して、磯崎さんは私の目をジッと見つめる。その眼差しは、まるで嘘発見器の様に、私の心の奥を見透かそうとしているのが分る。
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