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「お前が痩せるの待ってたけどもう無理みたいやな。ごめん」
「いや、はああっ?」
「いや、その台詞俺のやから」
「ちょっと待って。じゃあ付き合ってくれるって話は?」
「あ、それなかったことにして」
「いやいや…ちょ、ちょっと落ち着こう」
「ごめん、全然落ち着いてる」
「いや、だってあたし大貴君と付き合うためにいっぱい努力したもん」
「そんなん言われても。しょうみ、全然痩せてないし。しかもこんだけ待ったのに」
「いや、頑張るから!これからもっと頑張るから」
彼のコートの袖をぐいぐい引っ張るけど彼は平然とした態度のままだ。
しかもちょっとめんどくさそうにも見える。
「ごめん俺、好きな人できた」
「へっ…?」
う、うそだよ。そんなの。
だって、大貴君あたしのこと好きかもって言ってくれたもん。
ついこないだ。そう、二か月前に。
「ごめん」
大貴君はあたしの目をしっかり見据えて申し訳なさそうに頭をちょこんと下げてきた。
最悪。この世の終わり。
もうあたしだめかも。
この先やってけない。
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