この世の終わり

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やっと。 ほんとにやっと好きな人と結ばれるかもしれない。 本気でそう思ってたのに。 本気でそう願ってたのに。 だから頑張ったのに。ダイエット。 過去形だけど。現在進行形じゃないけど。 そう…確かにリバウンドしちゃったけどでも頑張った事実は認めてくれないわけ? 「じゃあ、そういうことだから」 彼はそう言ってくるりと背中を向けた。 大きな大きな背中。 背は187センチもあって、ラグビー部ってのもあって体がごつい。 太ってるとかじゃなくて、引き締まったごつごつ感。 この背中をずっと追いかけてきた。 大学一回生のときから、ずっと。 ずっと追いかけてきた。 あたしなんか絶対無理だって思ったけど。 でも、三回生になってやっと友達の紹介で大貴君と友達になれて。 すっごい浮かれてた。 夢でしか話せなかった人が目の前にいて現実として話せてるっていう状況が信じられなくて。 大好きだった。 こんなに人を好きになったことないってくらい。 本気で大好きだったのに。 そうやって懐かしの映像が脳内でフラッシュバックしてる際も彼の背中はどんどん小さくなっていく。 あたしは駐輪場の前で佇むだけ。 声をかけることも追いかけることもできなくてただただ彼が校門を抜けて横断歩道を渡って真っ直ぐ住宅街を突き進んでいくのを見守ることしかできなかった。
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