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愛の言葉を気にしない京が愛の陰茎を扱きながら、胸にある突起物を口に含む。それを舌で舐めたりはじいて、時に歯で噛みついて楽しそうに愛撫する。
愛が枕に頭をすり寄せて快感を逃がそうとする様子も気にはしなかった。
「っ、あ……ッ」
刺激を与えられて、愛は悶えながら声を抑える。
そう、それ。
キスできない原因、それだわ。
両手で顔隠すそれのせい。
そういえば、行為は飽きるほどやってるけど、前からのときはこうやって腕で隠すし、後ろからだと枕にうずめてるし。
俺、感じてるお前の顔まともに見たことないわ。
腕を引こうとするも、力が込められていて離れない。
先ほどまでもヤっていたから、穴はゆるくてすんなり京のそれを飲み込んだ。
「……ッ、ひ、ぅ……」
普段の低めの落ち着いた声を出している愛がわからなくなるほど、彼は高い声を出してよがる。
疲れたとか言ってるのに、感じまくってはくれるんだね。
「……ッ、ん、ぅ……アっ、」
京はゆるゆると腰を動かして、静かに愛に声をかける。
「愛、手、どけて」
顔見せて。
その言葉に愛はふるふると顔を横に振った。
微かに見える口元は下唇をぎゅうと噛んでいて、痛々しい。
愛はびくびくと体を痙攣させて、腰を無意識のように浮かせた。
「顔、隠すなって」
意地のように顔を隠し通す愛に呆れた顔を向ける京。
顔を隠している愛には、その京の顔も見えていない。
「愛」
「や……っァ、だっ……」
ようやく聞けたのは否定の言葉だ。
京は不思議になって、労るように愛の腰あたりを撫でて優しい声で語りかける。
「何で?」
「……ッ、きめぇ、からっ……顔ッ、んぁっ」
ふーふーと必死に息を繰り返す愛が歯をぎりと食いしばった。
片手で顔を隠したまま、片手で京の顔を殴る。
頬あたりを殴るつもりだったようだが、見えてないから顎を殴る愛。
痛い、と京が顎を押さえて涙目になる。
「はなしっ、てる……ときくらい、動くなてめぇ!」
怒りの含んだ叱咤は、吐息混じりでやけに色っぽい。
意地でも顔を隠そうとしている愛に腹を立てて、京は浮いている愛の腰を掴んでいつも以上に自分の熱を突き上げた。
「あ、あ……ッ」
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