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だらしなくよだれをぼたぼた垂らす愛を見て京は舌なめずりをした。
やめて、やめてと全身で、喘ぎで伝えてくる愛を無視して京は容赦なく、激しく揺さぶった。
ガクガクと震えながらも甘い吐息を吐き出す愛に興奮して、京の自身はより一層熱をもった。
2人の間からは、グチャグチャと耳を塞ぎたくなるような水音が響き続ける。
「もっ……無理、むりッ」
頭を枕にすりよせて、腕の力を弱めた愛。
今だと言わんばかりに京は手を伸ばして、愛の手をどけた。
いつもの機嫌の悪そうな愛が想像できないほど、弱々しい彼がそこにいた。
眉は垂れ下がっていて、目は潤む。
だらしなく開かれた口からは、あふれる唾液が伝ってぼたりと落ちる。
息を荒らげて、京が突き上げるたびに「あ、あ」と声をあげる。
顔は紅潮して、生理的な涙がぼたぼたと流れていた。
ぐちゃぐちゃな顔をした愛を見て、京の加虐心がくすぐられる。
「なに、めぐちゃん。そんなにだらしない顔して。気持ちいの?」
「ぁッ……違っ、う……」
「何が違うの。激しいの、好きなんだ。今お前、すげぇェロい顔してるよ?」
京の言葉に愛は泣きそうな顔をより深めて、声を上げながらも京の胸を押し返す。
「ん……ッ、見んな、バカ、ぁっ……きめぇ、からって、言って」
「いんや、すげぇ可愛いよ」
声、もっと聞かせて。
感じてる顔、もっと見せてよ。
そう言わんばかりに京は行為をやめない。
腰をふるたびに古ぼけたベッドはギシ、ギシと軋んでみせる。
「け、い……待ッ、て……んッ!」
「待たない」
顔を隠すとことを諦めたらしい愛が京の背中に手を回して爪を立てる。
体を弓のようにそらせて、ひくひくと痙攣した。
は、はと息を犬のように荒らげる愛に京は涙を掬うようにキスして、気持ちよさそうに目を細めた。
「──……ッ、う、ァ……!」
「ん、愛、可愛いよ……」
欲を愛の中に吐き出す直前に、小さく、でもハッキリ聞こえるように、京は愛の言葉を呟いた。
「愛してるよ、愛」
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