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手にした機動隊の銃は9㎜拳銃、日本版のシグ/ザウエルP220だ、信頼性と撃ちやすさにおいては評価が高い。
しかし、柳二はエアーガンでしか銃を撃ったことはない。
「でも、闘らないと殺られる・・・」
二人殺られ、残るは三人、うち一人は女性で、座り込んで呆然としていた。
目の前で父親が死んでくのを見て、ショックを受けたのだろう。
柳二は彼女の傍らを陣取り、もう一人の隊員はサブマシンガンが弾切れらしくその場に捨てて、拳銃に持ち変えた。
その瞬間、隊員に化け物が飛び付こうとした。
「❗」
タンタンタン❗❗
飛び付こうした化け物に柳二が三発発砲した。
「❗[?]」
隊員も面食らったようだが、それも一瞬だけで直ぐに化け物に銃を向けた。
「いってぇ~」
生まれて初めて実弾を撃った柳二は思わずそう言った。
(手が痺れる・・・)
なかば涙目になりながらも銃を握り直し、近いてくる巨大ゴキブリ共に発砲していった。
(駄目だキリがない・・・)
マガジンが残り三本になったところで隊員は思った
(わかってはいたんだかな・・・)
そう思うと残りの手榴弾を一気に投げ、同時に柳二に近付いてこう言った。
「飛べ❗」
「え❗[?]」
「川に飛込んで逃げろ❗」
そう言い出すと隊員は自分の着ていたベストを脱ぎ、装備と残りのマガジンと一緒に柳二に渡した。
「この中に地図がある、自分達は元々そこまで案内していく予定だったんだ」
ついさっき投げた手榴弾で時間を稼いでるうちに隊員は柳二に言った。
「救援を要請したが、どうやら間に合いそうにない。この地図に目的地が記入してある。無責任に思えるかもしれないが、君達だけで向かってくれ❗」
装備を渡したのはおそらく、先程の柳二の銃の腕前からの判断だろう。
「俺達だけって❗あんたはどうするんスか[?]」
「自分は出来るだけこいつらを足止めする、早く行け❗」
「・・・・」
再び巨大ゴキブリば迫り出しのを見て柳二はこれ以上は余裕がないと判断した。そして
「すみません・・・」
隊員にそう言うと今だに放心状態になってる彼女を無理に連れて、飛込んだ。ゴキブリ共が追い掛けようと飛び出そうとしたところを隊員が全て撃墜した。そこで弾が全て尽きたが、彼は少し満足そうにその場に座り込んみ、そのまま黒い波に飲まれていった。
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