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「兄貴はどうしてんだ[?]」
「え❗[?]」
何故知ってるのかと言う顔で奈緒美は柳二を見た。
「さっき気を失ってる時にそう言ってたから」
「わからない・・・・」
「[?]」
「お兄ちゃんは東京で警察の特殊部隊に入ったって聞いてたから今は・・・・」
おそらくさっきの起動隊隊員を思い出したんだろう。眼をふせ、黙りこんでしまった。
「そうか・・・」
そういうと柳二も黙り込んでしまい、またも重い空気が流れた。
「・・・大丈夫やて、お前の兄貴はきっとまだ生きてるて、せやからお前もしっかり生き延びて堂々と兄貴に会いに行こうや😃」
柳二はそう言って奈緒美を励ました。
「・・・うん」
奈緒美はうなずいた。さっきよりかは活気があった様に見えた。
「よっしゃ❗んじゃそろそろ出発するか❗」
言いながら柳二は自分達を逃がしてくれた隊員の装備を身に付け、非常用荷物を背中に背負った。
「・・・君・・・そんな格好で、川に飛込んだの[?]」
それを見てた彼女はキョトンとした顔で尋ねた。
「[?] そだけど[?]」
・・・その状態でよく私を抱えてここまで来れたね、と奈緒美は呆れた。
煙草を足元に捨て柳二は9㎜拳銃のスライドをカシャッと引くと、右太股の外側に付けてるホルスターにしまった。
そして、二人は再び街へ向かい歩き始めた。
同市内 市役所
「包帯が足りない❗早く取ってこい❗」
「第六班と第一班との連絡が途絶えました❗」
「第五班が生存者を連れて帰還しました❗」
「怪我人を医療所に運べ❗」
「第十班から救援要請です❗」
「第九班が1km先で足止めされてます❗」
一般人の仮避難場にしてる役所には自衛隊や機動隊、医師達が慌ただしい有り様でバタバタしていた。
「遠里小野方面に出ていた木坂巡査長はどうした[?]」
「救出にむかったヘリから木坂巡査長の第七班はすでに全滅していたと報告を受けてます」
「確保したと言う民間人は[?]」
「二名の内、一名は死亡が確認されました。あと一名は消息不明です」
「そうか・・・」
肩に三佐の階級章をつけた隊員は無表情で応えた。
「緊急連絡❗南港方面上空300mで滞空していたUH-60ヘリが突如消息を絶ちました❗」
「生存者は[?]」
「救難信号は出されてますが、応答はありません❗」
「・・・、付近で巡回しているヘリに至急帰還命令を出せ」
「❗ しかし❗」
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