日常の崩壊

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 夜もすっかり明け、バイクで走ること30分後、柳二はようやく我が家に着いた。 「今回も面白かったけど、やっぱ疲れた~。はよ寝よ」  そうは言ったものベットに横になったとたんに腹が減りだした。 「・・・・・軽くなんか食うか」  そう言って、台所に向かいコンロで湯を沸かしてインスタントラーメンを作り始める。  柳二はマンションに一人暮らしだ。十年前に事故で両親が亡くなり、一時は親戚に世話してもらっていたが、最近マンションを見つけて今は誰に頼らず生活している。ちなみに彼は20歳である。 「・・・・ラーメンって軽食になるか[?]」  作ってみてから自分で自分に突っ込んでしまった。まぁいいかとラーメンを食べ始め、暇潰しにテレビを付けてみた。 「ん[?]」  どのチャンネルもニュースばかり、しかも一部のチャンネルは砂嵐で何も映ってない。仕方なく映ってるチャンネルに変えると、どうやら臨時ニュースのようだ。 『繰り返し、お伝えします。先ほどから現在にかけて日本全国に対し緊急避難命令が発令されてます。各地域の国民は直ちに警察または自衛隊の方々の指示に従い地下シェルターに避難してください。繰り返し・・・』 「何やこれ[?]」  避難訓練にしては大袈裟にも程があるし。など考えてる内に外から警報が響き始めた。 『現在、全国に対し避難命令が発令されてます。住民は速やかに指示に従って下さい❗❗』 「オイオイ、マジかよ」  食べかけのラーメンを残し柳二は急いで非常用装備と通帳等の貴重品を持ち家を後にした。
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