第1章

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最悪だ...この世の終わりだ... 頭を抱え込む俺。そうさせるのは一週間前の出来事。 十五年間友達ゼロを貫き通してきた俺に、初めて他人ができたのだ。これはまずい。 何がまずいって、このままアイツと関わっていたら友達になってしまう。それだけは何としても避けたい。 ああ、そうだな。一般人には到底理解できないだろう。 だが、これだけは分かってほしい。 人間ってクズだなってことを。 どこから話していこうか。 そうだな、まずは当時の俺について話そう。 皆は6歳で小学校に入学し、6年間通い続けたと思う。...が、俺は入学するだけして、家から一歩も出なかった。そりゃ、友達なんてできるはずなかった。 日にちも曖昧、誕生日も祝ってもらった事などなかったからよく覚えていないので正確ではないが、9歳、小学3年生の頃。 ライトノベルを読み始めた。兄の影響もあったのだろう。 俺の性格がラノベに適していたのか、すぐにラノベに魅了され、虜となっていった。 1年程ラノベを読み続けた。 その頃から不登校生活にも飽きてきた。それに加え、ラノベの『学園モノ』というジャンルに大いにはまり、憧れを持ち、学校へ行くことを決意した。 まあ、お察しの通り、人生なんて小説のように奇なりではない。 三年も登校してないやつに友達いるわけがなく。 俺は今でも性格がひねくれている。人を人として見たことがなかった。人間なんてクズだ、ただのNPCだっていうのが俺の解釈だった。 だから友達なんていなくていい。俺は一人で生きていく。一人で大丈夫だと強がった。 それからも既出のラノベ、新刊のラノベを読破し、見てないアニメを漁ってはひたすら見ていた。 こんな平和な日常がいつまでも続き、二次元と共にあり続けることを願った。 どこかで何かが破裂する音がした。 やけに煩い雨音のせいで目が覚めた。休日明けの月曜日ということもあり、憂鬱極まりない。 けれども時間は待ってくれないもので、重たい足を仕方無しに歩ませた。
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