第1章

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次の日も、その次の日も、あいつとだけ喋った。 彼となら・・・喋っても大丈夫なのではないかと。 人間のいない俺の世界で、たった一人の他人となれるのではないか。 傷付ききった俺の心を直してくれるのではないか。 そんなかすかな期待を抱き。 最悪だ・・・この世の終わりだ・・・ ああ、俺の世界が壊れちまうじゃねーか。 けどさ、一つ確信してることがあるんだ。 きっと、きっと、俺の世界はひっくり返る。いや、ひっくり返してやる。見てろよ、お前ら。 最高だ。何もかも。俺の世の始まりだ。何もかも、今始まったばっかだ。 だから、分かってほしい。 クズだと思っていた人間が起こした奇跡を。 クズな俺を導いてくれた、たった一人の、俺の親友の話を。
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